4章 女子更衣室の正面の扉(俺たちが入ったのとは別の入口)にカツカツという靴音が響き、スーツ姿の女が現れた。 榊英恵という名前の女弁護士で、学園の顧問をしている50代の女であった。 彼女は、3人の女を従えていた。 ひとりは、芹澤あかねという名前のメガネ女で、30前半の女係長。主に学園の広報を担当していた。 もう一人は、見覚えのある出入り業者で、浅川優。たしか26〜27歳くらいで、OA機器や事務用品を納入するためにしばしば学園を訪問していた。 最後に、桑原冨美という名前の30代半ばの女が、おどおどしながら入って来た。 彼女は、かつては女子学園の経理を担当していた。今は、別の会社に派遣か何かで務めているらしく、青っぽい制服を着ていた。 「なんで、お前たちまで来るんだ!!」 「はい、またまた“被害者の会”の新メンバーが御到着よ。まさみち君、ご挨拶は?」 夏樹沙耶が嬉しそうに笑って言った。 「だれが!」 はき捨てるように言ったが、俺は内心かなり動揺していた。 芹澤あかねは、母自らスカウトした実力派の職員で、俺の在職中、人事のことや、俺自身が起こした問題への対処をめぐって、なにかと対立することが多かったのである。 榊英恵は言うまでもなく、「自立した女性」を合言葉に、母とともに聖泉女子学園を立ち上げたフェミニストの女弁護士。 理事長の息子である俺にとっては、最も目ざわりな存在であった。 今回の仕掛け人である夏樹沙耶は、俺と、榊英恵、芹澤あかねとの因縁を知っているのかいないのか、 「ちょうどいいところへ来たわ。見ての通りよ」 と言って、俺の正面に二人を案内した。 「うわ、パンツ一丁で吊るされてんの。みっともないサイテー!」 芹澤あかねが、頓狂な声を上げた。 「これでは、もはや、逆らえないわねえ」 聖泉女子学園顧問弁護士の榊英恵が、まじまじと俺の肉体を見つめた。 「芹澤さんたちにはお願いしないの?ママを呼んで〜って」 霧島由起子が言った。 もう彼女は完全に俺をいじめることを楽しんでいた。 「なに?それ」 と、芹澤あかね。 「フフフ、それがね」 霧島由起子が、これまでの経緯を説明した。 「あっははは!マザコン男ってわけね」 芹澤あかねが、おしゃれメガネを光らせた。 「それで今日は、パンツ一丁でお仕置きなんだ」 「おんなの気持ちを分からせるためにね」 霧島由起子が言った。 「それじゃ、桑原さんもまぜてもらわないと」 芹澤あかねが、もう一人の女性を前に押し出した。 「桑原さん!」 学園教師の澤井みつほが驚いて、思わず声を上げた。 「どうしたの?今日は」 「この男に、復讐できるチャンスがあると聞いて、来ました」 桑原冨美が、じっとりとウラミがましい目で俺をねめつけた。 「どういうことなの」 と山口あゆみ。 「まさか、この男のせいで、妊娠させられたんじゃ」 「ばかをいえ!」 俺は、そんなデブスに手を出すものかというセリフをかろうじて飲み込んだ。 「・・・・・・桑原さんは、この男にセクハラを受けて、退職に追い込まれたのです」 総務係長の芹澤あかねが説明した。 「俺は、そんなことしてない!」 「どうだか」 「あやしいもんだわ」 女たちが口々に言った。 桑原冨美はしばらく黙って立っていたが、芹澤あかねにうながされ、ポツリと話しだした。 「社員旅行のときに、野球拳をやらされ、無理やり服を脱がされました。女性でわたし一人だけ。女芸人のRに似てるからって。太っているからって、わたしのことをいつも馬鹿にして」 涙ぐんで言った。 芹澤あかねがうなずき、 「あれは、さすがに目にあまったということで、この人の方が、6か月間の減給処分になりました」 芹澤あかねが、母に進言して、俺の給料30パーセントカットを決めたのだった。 俺は、生意気な彼女に復讐しようとしたが、彼女は隙を見せなかった。 「それで、さかうらみして、ますます桑原さんに嫌がらせをしたのね」 深谷美雪が言った。 それを受けて、元秘書の霧島由起子まで、 「あのとき、事情をわかってあげられなくて、ごめんなさい」 と言って涙ぐんだ。 「言っとくけど、俺が彼女をクビにしたわけではないからな!」 「わたしは、自分の意思で退職しました。こんな男に、嫌がらせを受けて、悩んでいる自分が嫌だったからです。でも、今日は、この人がみんなの前で懺悔をする日だと聞いて、勇気を出して来てみることにしたのです」 そう言って、彼女は、パンツ一丁で後ろ手に吊るされる俺を眺めた。 「こんな風になって、いい気味」 「因果応報目ってやつかしらね」 霧島由起子が目を細めた。 「目には目をとも言うわね」 浜名香織の母、紀子が言った。 大崎萌香の母裕美子、澄田みきの母美和がうなずいた。 「こんなに大勢いたんじゃ、ひとりひとりのうらみを晴らすまで、からだが持たないかもね」 山口あゆみが小さく笑った。 女弁護士の榊英恵が静かに口を開いた。 「マサミチさん、こちらの女性のことは、よーく、ご存じよね?」 彼女は、浅川優の小柄な背中を、勇気づけるようにたたいた。 「ここにいるのは、全員あなたの味方だから、安心していいわよ」 「浅川さんまで……」 「いったい、どうしたの?」 澤井みつほと深谷美雪が顔を見合わせた。 「………………」 「いいわよ、無理に言わなくても、この男が自分がしたことは一番よく分かってるから」 夏樹沙耶がすさまじい形相で俺を睨みつけた。 俺は、女たちの情報交換力の高さに、内心震えあがった。 |
サディスティックな♀たちから
虫けらみたいにされてしまう♂の頁
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