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 女16人に環視("姦視"と言った方が正解かもしれません)されながら、強制的にオナニーをやらされるというシチュエーションに、私はドキドキしました。
 中学の時、クラスでいじめを受けていた子が教室でするのを見たとき以来です。
 妹の真保ちゃんだけが目をつぶっていました。
 サヴィトラの効き目は、早ければ15分くらいであらわれると聞きました。
 しかし、彼のオチンチンは、なんだかぐにゃぐにゃしたままで、一向に固くはなりませんでした。
 彼が手を休めようとすると、
 「なんでやめるの?!手動かして!!」
 越石さくらさんが彼の頭や顔などをポカポカ殴りました。
 彼女は、本当に男の人が嫌いで、彼のことも許せないんだと思いました。
 「こ、これ以上、殴らないで!!」
 彼が悲鳴を上げます。
 「じゃあ、言われた通りやれよ!!ふだん、やってるんだろ!!」
 「手錠、外してあげたでしょ」
 西脇佐和子さんが、まず右の手錠を外し、それから左も外しました。
 「ほら、これでどうよ?」
 「早く、手、動かして!!」
 「ぜんぜんダメじゃないの!」
 「あと1分以内!!」
 「すみません、許して下さい・・」
 「さっきは、お仕置きの最中にボッキしただろ!早くやれ!!」
 「無理です」
 ガッツ!!と、越石さくらさんが拳で彼の顔面を殴りつけました。彼の唇から、血がしたたり落ちます。
 「ほら、手!!動かすんだよ!!」
 無理やり彼の手を下半身に持って行こうとします。しかし、彼は両手で顔を隠して、泣いてしまいました・・。


 「あらー、泣かせちゃった。2人ともコワいから」
 小宮さなえさんが、冗談とも本気ともつかない口調で言います。
 「そんな風にぶたれながらじゃ、男の子だって、勃起できないわよねえ」
 そう言って、彼女はペットボトルの水でハンカチを濡らし、彼の頬をぬぐいました。
 「あらあら、こんなにアザになってかわいそうに」
 「こいつ、ドエムなんだから、これくらいしたっていいんだよ!」
 越石さくらさんが、不満そうに口をとがらせます。
 「でも、完全にちぢこまっちゃって、立たないじゃないの」
 小宮さなえさんが、彼の小さなオチンチンをつまんで見せました。
 「皮、かぶったままじゃダメよ。ちゃんと、剥いてからしないと不衛生!」
 小宮さなえさんが、限界まで彼のオチンチンを引っ張ります。
 彼女は、最初から彼のことをかばったわけではなく、単に、越石さくらさんとは違うやり方で 彼をイジメて愉しんでいただけなのでした。


 「それじゃー、再開!」
 秘書の綿貫真梨絵さんが明るく宣言しました。
 「オカズがいるか〜」
 そう言って、彼女はワイシャツの第1ボタンと第2ボタンを外し、彼の目の前に、両腕を垂らして、胸をつきだすポーズをとりました。
 女性の目から見ても、色っぽい、紺色のブラと豊かなバストの谷間がお目見えします。
 「ほーら、さわってみる?」
 綿貫真梨絵さんが彼の手をつかみました。
 「それはサービスしすぎ!」
 間一髪、越石さくらさんが静止しました。
 「お母様に怒られるよ」
 朝日奈泰子さんも言います。
 2人とも、穏やかな言い方ですが、わりとマジな感じが伝わって来ました。
 「男の勃起に、女性が協力する必要はありません」
 榎本美沙子さんも、ピシャリと言います。
 「すみませんでした!」
 フェミニズムの重鎮たちから注意を受けて、綿貫真梨絵さんは、謝るしかありません。
 彼女はあわててシャツのボタンをもどしながら、
 「こら!自分でやるのよ」
 と言って、彼の頭を小突きました。


 「すみません、トイレ行かせて下さい」
 「は?」
 「おしっこさせて下さい」
 「だって、ここには男性用のトイレなんてないよ」
 部屋のオーナーである小野りか社長が、笑いながら言います。
 「そんなこと言って、あなた、逃げるつもりでしょ?」
 小宮さなえさんも追及します。
 「絶対に逃げませんから!!」
 「サヴィトラは水によく溶けるから、吐き出しても無駄だよ」
 「ほ、本当にトイレなんだって!」
 「だから、女性用トイレしかないって」
 「どうしてもしたいなら」
 小野りかさんが、笑いながら、言いました。
 「ここですれば?」
 わっと、女たちが沸きます。
 「お仕置きが長引くこともあるからね。8階に戻れば、ポータブルトイレがあるよ」
 越石さくらさんが言いました。
 「持って来てあげようか」
 「………………」
 「おしっこしたいんでしょ」
 「……したくないです」
 「やっぱり逃げるつもりだったか?!」
 榊美華さんが、そう言ってビンタしました。
 「おしっこは、させた方がいいわ」
 女医の新妻千枝子さんが言いました。
 「サヴィトラをあんなに飲んじゃったら、あとが大変よ」
 「地下の駐車場のところに、たしか共用のトイレがあったわね」
 越石さくらさんが言います。
 「そこへ連れて行きましょ」
 「裸で連れて行くの?」
 「そりゃ、当然よ」
 越石さくらさんがニンマリと笑います。
 「まってくれ!!やっぱりいいよ!!」
 「ほら、立ちなさい」
 「やだやだやだ」
 「しょうがないわねえ」
 「やだよ!」
 まるで彼は駄々っ子のようです。  「今のうちにしておかないと、後で辛くなっても知らないよ」
 女医の新妻千枝子さんが言いました。


 そのとき、意外なことが起きました。
 女たちにさんざん辱しめられて、もはや反抗する力も残っていないと思われていた彼が、いきなり走り出したのです。
 近くにいた越石さくらさんを突き飛ばし、猛然と、隣の部屋にダッシュしました。
 予想外の出来事に、私を含む女たち全員が、唖然として固まってしまいました。
 「こら!待て!!」
 ようやく西脇佐和子さんが声をあげたとき、すでに彼の姿は、隣室の向こうに消えていました。
 その先には、玄関があります。
 差し入れを持って加わったばかりの秘書、綿貫真梨絵さんが彼のあとを追います。
 「カギ!鍵!!」
 今さら叫んでもどうにもなりません。
 脱兎のごとく、という表現ぴったりに、彼は707号室から脱出して行きました。
 そういえば、彼の両手首を後ろ向きに拘束していた手錠は、オナニーをさせるために、外していたのでした。
 (やられた!!)と、私は思いました。
 女性たちみんな同じ気持ちだったと思います。
 とくに、綿貫真梨絵さんは、自分の失態に気づき、動揺していました。
 707号室の入口には、電子キーがついており、内側からロックすることもできたのに、それを怠っていたのでした。
 「すぐに連れ戻さないと!」
 後を追って行こうとする彼女に対し、小野りか社長は、
 「丸裸で、どうやって逃げるつもりなのかしらねえ」
 余裕たっぷりに笑ったのでした。
 たしかに、私もそう思います。
 「あ、痛いててて、あいつ、突き飛ばしやがった」
 越石さくらさんがお尻をさすりながら立ち上がりました。
 「ぜってー、連れ戻す!!」
 笑いながら言います。
 「とりあえず、管理室に電話ね」
 小野りかさんが、自分のスマホから連絡します。
 「あ、すいません、707の小野です。実は、ちょっとアクシデントがあって、"囚人"が脱走しました。まだ若い男の子です。裸だから、そう逃げられないはずだけど・・ええ、はい、すみませんがお願いいたします」
 彼女は、通話を終え、綿貫真梨絵さんを安心させるように、「モニターで見張ってるから、居場所が分かったら知らせてくれるって」と言いました。
 「ばかだねえ、このマンションから逃げられるわけないのに」
 元自衛官の紅林央子さんが言います。
 「逃げて捕まったら、お仕置きが厳しくなるだけなのにね」
 小宮さなえさんも言います。
 「すぐに追いかけなくていいんですか?」
 上原絵里奈さんがやや不服そうに言いました。
 「大丈夫よ。ここのビルは、管理室も基本女性だし」
 女医の新妻千枝子さんが言います。
 「ま、ビル内、かくれんぼする気なら、あぶり出してやるよ」
 「カクレンボって、なんですか?」
 と、留学生のアイリスユン。
 「日本の子供たちの遊び。鬼につかまらないように、隠れたりするのよ」
 「おお!まさに、私たちが、オニだ!!」
 アイリスユンが爆笑します。
 「あと100数えたら、みんなで探しに行こう♪」
 榊美華さんが言います。
 そこへ、さっそく管理室から電話が入りました。小野社長が対応します。
 「はい、はい、えっ、地下ですか?それは・・」
 意外、という顔で小野社長がみんなを見渡します。
 「ヤツ、エレベーターで地下に逃げたって」
 「なかなかやるじゃないの」
 「本気で外に逃げるつもりかな?」
 「まさかね。でも、地下からは、一応、ビルの裏口に出れるけど」
 「助けを呼ぶつもりかな」
 「ケータイ取り上げてあるから無理よ」
 フェミニズムの重鎮たちが、一応深刻な顔で相談します。
 「とりあえず、行ってみますか」
 榊美華さんが動き出します。
 「わたしたちをなめやがって・・ただじゃすまさないよ」
 越石さくらさんが、腕まくりをして歩き出しました。


    
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