[18] そこへ、真保たちがあらわれました。妹の他に、母真由子、叔母の水上裕美子、従姉妹の水上麻衣子。 真保は、私立中学の制服を着ています。今日はこのために学校を休んだみたいです。 4人の後から、"ラブ・ピースクラブ"に所属する新妻千枝子と、"痴漢・性暴力110番"の西脇佐和子が入って来ました。 白衣を身にまとった新妻千枝子は、30後半の女性医師です。 西脇佐和子は、たぶん30前半くらい。 二人とも、背が高く、スレンダーです。男を震え上がらせる雰囲気があります。 妹に対する事情聴取は終わったんでしょうか。 「ちょうどいいとこに来たわ」 榎本美沙子が6人を招き入れました。 「この通り、真保ちゃんの敵討ちをしてるからね」 妹は、黙ったまま、真っ赤な目で、吊るされている僕を見つめます。 "ラブ・ピースクラブ"で最年長の朝日奈泰子が、真保の肩に手を置いて、 「お兄ちゃんのこと許せないでしょ。おばさんたちが、しっかり懲らしめてやるからね」と言うと、 真保は、わずかにうなずいたように見えました。 真保のためにソファーの席が空けられました。 真保が座り、朝日奈泰子と、水上麻衣子の二人が、護るように左右に腰かけて座ります。 水上麻衣子は、真保の手を握りしめています。 裕美子叔母さんの娘麻衣子は、26歳のOLです。仕事中に呼ばれて来たみたいで、企業の制服を着てます。 子供のころ、遊んでもらったことがあります。 彼女は、悲しそうな目で僕を見ただけで、何も言いませんでした・・・・。 |