女二十一人の集団リンチ


十章

 「さぁてと・・・・・・どうやって、いたぶってやろうか?」
 女巡査長の西澤奈緒美が、俺の腕をひねり上げ、言った。

 「あたしたちに向かって、あれだけ言ったら、もう覚悟はできてるんでしょうね」
 榎本美沙子が鋭く目を光らせた。

 「さっきまでは、わたしたちもまだ手加減してたのよ。今度は容赦しないから、その おつもりで・・・・・・」
 “切りきざむ会”最年長の秋津静穂が静かにそう宣告した。

 女たち十七人の輪が小さくなり、彼女たちの無数の手が、俺の身体にのびてきた。

 お、俺を、どうする気だ・・・・・・!!
 カラカラにかわいた口をなめて、ようやく俺は声を出した。

 「さぁてね・・・・・・。今度はパンツ脱がしたぐらいじゃすまないってのは、分かってん でしょうね・・・・・・」
 怒れる母親の水谷綾子が言って、笑った。

   「血祭りにあげてやるわ・・・・・・」
 ジャージ姿の秦野麻里も、同じように笑ってみせた。

 彼女たちのサディスティックな表情に、俺は震え上がった。


 そのとき、“取調室”の入り口に備えつけてあるチャイムが、連続して三回鳴り響いた。
 女たちは俺をいじめるのに夢中で気づかなかったが、さっきから部屋の外に新しい 二人の女がいて、しきりと中の様子をうかがっていたのである。

 「あ、悪いわるい」
 と言いながら、榎本美沙子が特別な鍵を使って、取調室のロックを外した。

 二人の女が、昔の教室を改造した、この薄暗い部屋の中に飛び込んできた。

 「もう、ぜんぜん気づかないんだから!」
 と、文句を言いながら現れたのは、榎本有紀子という名前の二十二歳の女子大生である。

 女たちの会話から、彼女は榎本有紀子の姪であり、“効率よく稼げるアルバイト”として、 ウィメンズクラブの仕事を手伝っているということが分かった。

 現れたもう一人の女は・・・・・・恐れていたことが現実になった。
 俺の母親の敏子である。

 彼女は“女の敵を切りきざむ会”から連絡を受け、一時間以上離れた実家から呼び出さ れると、
 「申し訳ありません。ご迷惑をかけて。本当にすみません」
 と連発しながら、取調室に現れた。

 彼女は思いがけない事態に相当うろたえていたが、黒の上下に身をつつんだ姿は、一応 “よそ行き”の格好をしていた。

 「トモユキくん・・・・・・。あなた、なんてことを。みなさんにご迷惑かけて」
 母敏子は、実の息子がパンツ一丁で取り調べられる姿を見て、涙をあふれさせた。
 「あの、本当に、なんと言ったらいいか・・・・・・。本当に、申し訳ありません」

 「お母さんが謝ることはないんですよ」
 秋津静穂が、優しくさとすように言った。

 「息子さんは、あくまでも成人した大人の男性です。責任は、あくまでも本人にありますよ」
 女巡査長が言った。

 「ええ、ええ。本当に、どうもすみません」
 それでも、母親はおろおろと謝りつづけた。

 「今日、お母さんを呼んだのは、なにも息子さんの罪をいっしょに償わせようというのでは ありません」
 秋津静穂が説明した。

 「そうではなくて・・・・・・つまり、お母さまにも、息子さんに対する取り調べに参加していただきたい のです。そして、ご自身の手で、罰を与えていただきます。二十六年間も育ててきた、自分の 息子の、ある意味恥辱的な姿を見せつけられることになるので、辛いでしょうが、これは息子さん のための教育だと思って」
 榎本美沙子がさらに言葉を継いで、そんな説明をした。

 「こういった手法は、日本ではまだ珍しいですが、北欧などでは比較的よく行われています」
 女巡査長が言った。

 母親の敏子は、大勢からリンチを受ける俺の身を心配するよりも、こんな場所に呼ばれて しまった恥ずかしさと、被害者女性へのすまなさ、そしてなによりも、俺に対する情けなさの 方が、やはり勝ってしまうようだった。

 「トモユキくん・・・・・・。あなた、こんなに大勢の人に迷惑かけて・・・・・・。二十六にもなって・・・ ・・・分かってるの!」
 と言って、敏子は泣きながら、俺の頬を殴った。

 女子大生の榎本有紀子が、みんなの目の前でダンボール箱をひっくり返した。

 中身は言うまでもなく、俺が一人暮らしするアパートから、彼女が俺の母親とともに押収 してきた“証拠の品々”である。

 パンティやブラジャーなどの下着類はもちろん、数枚のブラウスやミニスカート、それに スクール水着やブルマなどがあり、今さらながら、それを目にした女たちが騒ぎだした。

 母親の敏子は、両手で顔を押さえて、わーっと泣いてしまった。

 「ったく、親を泣かせるんじゃないよ」
 女巡査長の西澤奈緒美が、苦虫を噛んだ顔で言った。

 「言って下さい。どうすればいいですか。教えて下さい。どうすれば、うちの子のした罪を みなさんにお詫びすることができるのか・・・・・・言って下さい!」
 母親の敏子が、泣きじゃくりながら女性警察官にすがりついた。

 「正直・・・・・・こういうケースは難しいですよ。息子さんは、女の子を強姦しておきながら、 今のところ反省の気持ちを示していません」
 “切りきざむ会”のメンバーで、年長者でもある秋津静穂が言った。

 「ご、強姦・・・・・・。トモユキ、それは本当なの!?」

 うそだ!俺はこの女たちにはめられたんだ!強姦なんて、やってない・・・・・・!

 「ほら・・・・・・ね。さっきから、ずっとこの調子で反省してないのよ」
 秦野麻里が言った。

 「わたしたちだって、なにも好きこのんでトモユキくんに罰を与えているわけではないのです」
 榎本美沙子が言った。

 「・・・・・・ですが、お母さん。残念ながら、トモユキくんは最初から一貫してこの調子でして・・・・・・。 あげく、被害者の女の子にまで、逆上して手をあげる始末」
 秋津静穂が言った。

 「わたしは、この人にレイプされた・・・・・・!間違いないわ」
 女子高生のさとみが言った。

 「うちの子は、お宅の息子さんに公園の暗がりに連れ込まれて、パンティを脱がされました」
 水谷綾子が怒りを押し殺した声で言った。
 「うちの早紀は、いま小学校六年です。こんなことが許されてもいいのでしょうか」

 「本当に、本当に申し訳ありません」
 えーんと、母親の敏子は子供のように声を張り上げて、再び泣き崩れてしまった。

 「ったく・・・・・・しょうがねえなァ」
 女巡査長の西澤奈緒美が、女たちに押さえられ正座させられている俺の方を仰ぎ見た。
 「どうする?ますます親不孝重ねるだけだと思うけど、プログラム通りにお仕置きするかい?」

 「プログラム・・・・・・。この後、どんな内容があるのですか」
 女課長の杉浦咲子が尋ねた。

 榎本美沙子は答える代わりに、女性警察官といっしょに俺の頭髪をつかみ、無理やり四つんばい の格好にさせた。

 西澤奈緒美は、制服のスカートをたくしあげ、ストッキングをはいた太ももをあらわにすると、 その内側に、俺の首をはさんだ。

 何人かが、俺の足腰を固定し、四つんばいの状態から、動けないようにした。

 西澤奈緒美は、スカートの中に俺の頭をはさんだまま、その場でどすんと腰を下ろした。
 つまり、頭を低く押さえつけられ、尻だけを高く持ち上げられるという、屈辱的なポーズである。
 そのポーズが、なんの“プログラム”のためのものなのかは、容易に想像することができた。

 「さーぁ、今日はお母さんにたっぷりとお仕置きしてもらいましょうね」
 女のだれかが言った。小さな子供に対して言うような、たっぷりと揶揄のこもった声色で。

 母親の敏子が、立ち上がり、俺の尻に手をふれた。

 ・・・・・・ちっきしょう・・・・・・。やめろ。くそ、おふくろ、お前は関係ないだろ。帰れよ!

 俺は女性警察官のスカートの中で、顔を床に押しつけられながら、せいいっぱいの声を出した。
 どれだけ叫んでも逃れる術はないし、ますます自分の屈辱が増すだけなのは分かっている が、叫ばずにはいられなかった。

 「お母さんが、脱がして下さい」
 榎本美沙子が命令した。

 母親の敏子は一呼吸おいてから、俺のブリーフをいっきにまくり下ろした。

 うわーっ!!よせ、ちくしょう!ふざけんなーー!!

 「馬鹿!!女の子をレイプするような子に育てた覚えはないよ」
 敏子は猛烈ないきおいで、剥き出しになった俺の尻を叩きだした。

 十九人もの女が見守る中で、一糸まとわぬ全裸にされ、実の母親に尻を叩かれるという、 信じられないような悪夢は、それからなんと十五分近くもつづいた。

 ちっきしょーー!!よせ、やめろーっ。ふ、ふざけるな、コノヤロー!!
 そうした俺の叫びも、すぐに怒りを通り越して、切実な哀願に変わらざるを得ない。

 やめてくれーっ!!も、もう、やめて。許して!!
 あーっ!あーっ!あーっ!痛い、痛い、痛い、やめて、許して。

 その、俺の無様な姿を見て、女子高生の四人組が、手をたたいて喜んでいた。

 お、お願いだから、もうしないから、許して、許して。あーっ!痛い、許して、助けて・・・・・・。
 お願いだから、も、もうやめて、あーっ!あーっ!あーっ!うあーっ!!ぎゃーっ!!!

 小学生の水谷早紀と、並木美穂。
 それに、飯尾絵美子が連れている二人の幼い少女が、ケタケタと笑っているようだった。

 母親の敏子は、自分の息子にこれほどの痛みと、恥辱を与えて平気なのだろうか?
 自分の手だって、相当に痛いはずなのに・・・・・・。
 ぼんやりと、俺がそんなことを考えたとき、すでに尻の皮はやぶれて血がにじみ、紫色に 変色した皮膚には感覚がなくなっていた。

 やがて、母親の敏子はその行為をやめた。
 俺の身体は床の上に投げだされ、無惨にはれた尻と、何度も尻を叩かれているうちに 自然と勃起してしまった性器が、容赦なく女たちの目にとまった。

 母親の敏子は、さすがに恥ずかしそうに目をそむけた。

 若いOLの萩原貴子が無情にも、
 「どうして?ボッキしたりするのよ!」
 それがさぞ不愉快なことであるというように、叫んだ。

 「スパンキングの場合は、性感の近くを刺激するので、そういうこともあります」
 秋津静穂が説明した。

 「じゃ、つまりお尻叩かれているうちに、感じちゃったってこと?それって、マゾじゃない!」
 萩原貴子が言うと、女たちの多くが笑った。

 榎本美沙子と秋津静穂が俺の肩を抱いて、ゆっくりと起き上がらせた。
 俺は自分では立つこともできないほど弱っており、完全に無抵抗。
 それでも、なぜか俺のイチモツだけは元気なので、余計な屈辱をまねくことになった。

 「わぁーっ。なにあれ!」
 小学生の少女二人が、驚きの声を上げた。

 早熟で生意気な最近の少女とはいえ、さすがに勃起した男性器を間近で見るのは はじめてなのだろう。
 二人は顔を見合わせては、驚嘆の悲鳴を上げた。

 「やっだー!びっくんびっくん、動いた・・・・・・」

 女巡査長の西澤奈緒美が、アルミ製の警棒をのばして、俺のいきり立っている部分を 打った。

 うぐあぁ、や、やめろ・・・・・・。

 その痛みと恥ずかしさにもかかわらず、俺の性器はますます硬く、大きくなった。

 「ちょっと!冗談じゃないわよ!!」
 オールドミスのOL寺内朋子が、地団駄をふみながら言った。

 「こんなときに勃起するなんて、ふざけてるわよ!!
  もう、なんでそうなるの!絶対に許せないわ」
 彼女は二人の小学生を押しどけるようにして俺の前に立ち、

 「その汚らしいものを引っ込めなさい!さもないと、へし折るわよ!」

 「わたしも許せないわね。お仕置きを受ける途中に勃起するなんて、絶対に変よ!」
 水谷綾子が言った。

 「わたしも変!」」
 「わたしも許せない」
 「わたしも」
 女たちが賛同した。

 「おい、お姉さま方は、みんな目障りだって言ってるぞ」
 女巡査長が言った。
 「わたしらの取調中にチンポおっ立てるとは、いい度胸してるな」

 「おばさんたちのやり方が甘いんじゃないの。ひさしぶりに、若い男が相手だからって、 手抜いてるんじゃないの」
 母親とともに俺のアパートを捜索した、女子大生の榎本有紀子が言った。

 「痛めつけ方がたりないんじゃない?」
 萩原貴子が言った。
 「本当に弱っているなら、あんな風にならないはずよ」

 男という生き物は、肉体が疲労したり、弱っているときこそ、性欲が高まり、ときに 激しいくらいの反応が起きてしまうことがある。いわゆる、“疲れマラ”という現象だが、 彼女たちはそのことを知らないのだろうか・・・・・・。

 もちろん、そんなことを口で説明する暇は与えられなかった。

 女巡査長から特殊警棒を受け取った榎本有紀子は、
 「バトンタッチ!」
 と言って、その先端を下腹部に突き刺したのである。

 ぎゃうーーー!!!
 と叫んで、俺は床の上にひっくり返った。

 「ちょっとあんた、少しぐらい怪我させてもいいけど、殺したらダメなんだからね」
 榎本美沙子が言った。

 「わかってるわよ。さ、あなた。今度はわたしの番よ。わたしのやり方は、おばさんたちと ちがって容赦しないから、そのつもりで・・・・・・よろしくね」 
 榎本有紀子が、叔母の美沙子とよく似た美貌で、サディスティックに笑って見せた。

 もう充分、容赦のないいじめを受けている・・・・・・。そんな俺の、心の中の叫び声など まるで想像もできないというように、彼女は警棒を俺の裸の胸に叩きつけた。


一つ前へ  次へ

被虐小説の部屋に戻る




動画 アダルト動画 ライブチャット