[50] 女子中学生をレイプした男(坂本ヒロ)に対する制裁は、全裸でグラウンドを引き回しするという過酷なもので、最終的に、参加女性200名超になりました。平日昼の出来事だったので、家庭の主婦や、学生が中心だったと思います。 坂本真保ちゃん(レイプ被害者)が通う聖泉女子学園の生徒たちも、2人、3人と駆けつけて来ました。 ネット中継を見て、居ても立っても居られず、かなり遠くから馳せ参じた女性もいました。 日中仕事で参加できない女性のために、早くも第二弾を企画する声が聞こえてきました。 私(宮川梨穂)は、この日、ネット配信を担当していました。 ネットでは、"#ヘンタイパレード" "#ウイメンズ・マーチ" "#全裸行進"などのタグで拡散され、おそらく何万人もの間でシェアされています。 坂本ヒロのSNSアカウントは特定され、炎上しています。 ツイッターでは、『横暴なメスどもの手から、サカモトヒロを救え!!』などというスレッドも生まれましたが、フェミニズム系のアカウントによってたかって攻撃され、潰されてしまいました。 匿名の掲示板では、愉快犯のオタクアカウントによる、『Sグラウンド爆破予告』などというスレも立ちました。(すぐ消されましたが、この人物は後で逮捕され、女権委員会に送られたようです。) あちらこちらで、性暴力男を許さないという大多数の女性と、女権委員会のやり方を"フェミナチ"などと揶揄する男子の論争が起きていました。 爆破予告が出てから、S女子体育大学レスリング部が6名、応援に来てくれました。 彼女たちは、グラウンド入口を厳重警戒することになりました。 信じがたいことですが、女装をしてグラウンドに潜入しようとした男がいて、発覚して、レスリング部にボコボコにされてしまいました。 坂本ヒロの行為に怒りを覚え、このデモに共鳴する女性が一人、また一人と加わるたびに、彼の歩く距離は確実に増えて行ったのでした。 「まだまだ!」 「あと、グラウンド10周!!」 「ほら立ちなさい!!」 「寝るな!!」 「歩け!!」 「クソオス!!」 「バカオス!!」 「情けないチンコさらしてんじゃねえよ!!」 「泣くな!!」 「被害女性の痛みを思い知れ!!」 「しね!!」 ・・怒り狂う女性たちに取り囲まれ、罵声を浴びせられながら、全裸で歩かされる男は、さぞ心細く、生きた心地がしなかったことと思います。 男は泣いていました。 泣いたからといって、むろん女性たちは意に介さず、男の尻を蹴飛ばしました。 男は、小股で歩き、足がもつれては転び、その都度、女性たちから頭を叩かれたり、背中やお尻を蹴られたりしていました。 オスの体の中でも、"最も罪深い部分"が、ひもで縛り上げられています。 女性たちは、交代でひもを引っ張りました。 女性にとって、脅威をもたらすその部分ですが、今日は、女性たちの前に屈服して、みっともなく、ぶらさがっていました。 その部分こそが、すべてのオスの"原罪"であると私は思いました。 身勝手な欲望のために、女子中学生を2人もレイプした犯人。 到底許すことができません。 女性たちのパレードは、クライマックスに向かって、歩いてゆくようでした。 あわれなオスは、怒りを表明する女性たちの前で無防備な裸をさらすことで、自分がしたことの罪深さを徹底的に思い知らされたのでした。 Sグラウンドには、『憩いの森』と呼ばれるエリアがありました。 芝生が植えられ、休憩用のベンチなどが設置され、草花や樹木に取り囲まれている公園のような場所です。 S女子体育大学の学生たちは、この場所でお昼ご飯を食べたり、休憩をしたりすると言っていました。 女性たちのパレードは、最後に、彼の身体を、この『憩いの森』に引っ張って行きました。 彼は、もうすっかり観念していて、ときどき転びそうになりながらも、女性たちの指示に従って、歩かされている感じでした。 今さらと思われるかもしれませんが、私(水上麻衣子、彼の5歳違いの従姉です)は、彼のことがかわいそうで涙が出ました。 ただ、私には、200人超の怒れる女たちによる行進を止める術は、ありませんでした・・。 やがて、憩いの森の奥にある"彫像"が見えてきました。 海外の芸術家が作成したフェミニズム・アートだそうです。 昆虫や、魚や、天使などをモチーフにした不思議なオブジェが、無秩序に展示されていました。 天使の翼をつけた女性器の像もあります。 さらに、片方の手で顔面をおおい、苦悩に満ちた表情で歩く男性の像(裸像)が立っていました。 「前者は、自然界における"女性性の解放"を意味しており、後者については、有史以来女性に対して常に加害者の立場であった"男性性"が、ようやくそれに気づき、己の罪深さにおそれ、おののき、苦悩している」姿なのだと、フェミニストの小野りか社長が教えてくれました。 ここは、妹に性的虐待を行った彼を処断するのにふさわしい場所だ・・。私は鳥肌が立ちました。 「ほーら、チンコ、見てごらん、あそこが、お前の処刑場だってさ」 ギャルママの新見茉優華が、僕の尻を叩きました。 彼女は、愉しくて仕方がないといった仕草で、他のママたちに笑いかけます。 「あれ、なんだろうね?」 竹内亜香里が言うと、 「見りゃわかるだろ!チンコ、吊るすんだよ」 そう言って、赤羽根真梨が爆笑しました。 「性暴力男にはふさわしい最期だね」 英美鈴もつぶやきました。 「ほら、呼んでるよ」 新見茉優華があごをしゃくる先にあるのは、等身大の女性器と、苦悩する男の彫像。 また、魚の怪物や、羽のある小天使や、蟷螂などの像が、一見無秩序にならんでいる広場でした。 『・・ご覧ください!!妹に対する性暴力をゆるさない女たちの行進は、ここ"女性解放の広場"にたどり着きました。ここには、およそ200名の女性が、たった一人の男を糾弾するために駆けつけてきました。小学校・中学校の少女たち、S女子体育大学の学生たち、お仕事中にたまたま通りがかった女性、被害者と同じ年頃の娘を持つお母さんたち・・さまざまな年齢、さまざまな立場の女性たちが、一致団結して、性暴力男に、制裁を加えようとしています!!!』 宮川梨穂という名のカメラウーマンが、絶叫していました。 『・・ご覧ください!!女性たちの怒りが、たった一人の男に向けられています。この男は、妹と、その友達の中学生をレイプした罪を、身をもって贖うことになったのです!!』 宮川梨穂の煽動に、女たちの歌声が続きます。 『ラララ〜ラララ、ララ、ララ、ラララ♪』 僕は、女たちの歌声を、どこか遠い空の出来事のように聞いていました。 正直なところ、最後の方は、半分意識が飛んでいたのでした。 女たちは、広場の入り口付近で、ついに歩けなくなった僕の両足首にロープを結び付けました。 そのまま、僕の身体を引きずって行きました。 背中がすれて、燃えるような痛みを感じたことで、現実に戻されました。 女たちは、僕を、フェミニズム・アートという女性器の前に立たせました。 大きく開いた口が、僕の全身を飲み込む大きさでした。 無機質ですが、細部のヒダまでリアルに表現されており、不気味でした・・。 巨大なマンコには天使の羽が生えていました。 シュールな像です。 クリトリス部分に、頑丈な輪がついていました。 巨大なマンコピアスのようです。 女たちは、そのピアスの輪に、僕の手を固定しました。 手錠のしめつけがきつく、両手首から血の気が引いてゆくのが分かりました。 「こいつは、おあつらえ向きだね」 女のだれかが言いました。 僕の背が低いため、吊るすのに丁度いい高さという意味だと思います。 「これ、もともと、吊るすための道具なんじゃない」 「男を吊るすところまで含めて、アートなんだよ」 「ははは、きっとそうだ」 「おい、チンコ、アートの一部になった気分はどうだ?」 「光栄でしょ〜」 「もっと嬉しそうな顔しろ!」 女たちが言いました。 これは拷問台だ、と僕は思いました。 (実際、巨大マンコには、"Tortura genitala"(生殖器拷問)というタイトルが与えられていました) 巨大マンコが鎮座している正方形の台座には、チェーンで固定されたベルトがついていました。 それも、2つ。 アート表現というかもしれませんが、両足を固定するための道具としか思えません。 まさに"おあつらえ向き"です。 女たちは、嬉々として、僕の両足首をベルトで固定しました。 それから、女たちは、僕の下半身のロープを、数メートル離れたもう一つの彫像(全裸で苦悩する男の像)にくくりつけたのでした。 その、不自然なまでに小さく表現された男性器にも、鉄輪がついていました。 女たちは、鉄輪にロープをくぐらせました。 僕は、下半身をつきだした格好で耐えるしかありません。 苦悩する男の生殖器は、小さく、丸まっていて、まるで子供のようです。 僕のオチンチンも、同じだと思いました。 女たちは、僕に最大限の恥辱と、苦痛を与えるために、2つの小さいオチンチンを結びつけたのでした。 女たちから、拍手喝さいが沸き起こりました。 ぴんと張ったロープが、容赦なく僕の性器を吊るしあげます。 女たちは、ロープを緩めたり、力を込めて引いたりと、さじ加減一つで、僕を苦しめることが可能なのでした。 「も、もう赦してください・・しんでしまう」 たまたま近くに従姉の水上麻衣子がいるのを見つけ、僕はすがりつきました。 しかし彼女は僕を一瞥すると、 「もう、しんで!!」 と言い放ちました。 「ふふふ、そう簡単にはしなさないよ」 若いフェミニストの新見茉優華が、サディスティックに笑い、僕のは腹部に特殊警棒を叩きつけました。 僕は悶絶しました。 |