[26] 女たちは、彼の勃起を決して許さず、これを彼の落ち度として執拗に責め立てました。けれども内心は、滅多に見られない若い男の勃起した姿をもう一度おがみたいと思っていた……のかもしれません。 「"サヴィトラ"あるけど、使ってみる?」 女性医師の新妻千枝子さんが、そう言って、鞄の中からクスリの錠剤が入った袋を取り出しました。 母裕美子が、嬉々としてそれを受け取ります。 ふだんあまり目にしたことがないような、オレンジ色をした大粒の錠剤が二列にならんでいました。 「これは?ボッキグスリですか?」 母が露骨な質問をすると、新妻千枝子医師は苦笑して、 「無理やり飲ませても、性的な刺激がない限り、勃起には至りません。あくまで、自律的な勃起を助けるだけです」 「じゃ、やっぱり麻衣ちゃんの出番だ」 「もう、やめてよ!!」 「ひとたび勃起に至れば、2時間以上はもつわよ」 「へえ、便利なクスリもあるもんね」 「"サヴィトラ"って、バイアグラの一種でしょ」 女子留学生のアイリス・ユンが、憮然として言いました。 「あら、よく知ってるわね。正確には、バイアグラと同じような効果がある別の薬のジェネリックだけど」 「知ってる。アジアに女の子を買いに来るニッポンの男どもが、大量に購入して帰るって」 「やだ、しんじらんない」 女子大生の上原絵里奈さんが言いました。吐きそうな顔をしていました。 「女権委員会でも取り締まりを強化しているんだけど、いたちごっこなのよ」 榎本美沙子さんが言います。 「有効な対策はないのですか?」 「そういう男はひっとらえて、かたっぱしから去勢するしかないわねえ」 そう言って、榎本美沙子さんが、彼のオチンチンをギュッとつねりました。 「まったくだわ!」 越石さくらさんも言い、両手で彼の乳首をつねりました。 小野りかさんも、むき出しのお尻をつねりました。 まるで、彼が悪い男の代表とでも言うように、みんな容赦がありません。 |