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 「あたしらのお仕置き最中に、勃起するとは、本当にいい度胸だねえ」
 「妹が見てる前で」
 「これは、さらなるお仕置きが必要だわ」
 「どうやっていたぶってやろうかしら」
 「もはや、血祭りだわ」
 口々に言い合いながら、女たちは壁ぎわに彼を追いつめました。
 恰好のいじめネタに、みんな舌なめずりをしそうな表情をしています。
 お仕置きの最中に、オチンチンを大きくするなんて、まったく反省していなかったんだと、このとき私は思っていました。
 ふざけている彼に対する怒りがこみあげました。
 私も、女たちにまじって、睨みつけました。
 元自衛官の紅林央子さんが、彼の両手を持ち上げ、壁に押さえつけました。
 「どうして勃起するの!」
 言いながら、彼の頬を叩きます。
 「ふざけるんじゃないよ!!」
 朝日奈泰子さんもビンタをあびせます。
 「恥ずかしくないの!!」
 小宮さなえさんも叩きました。
 「ゆるして下さい……」
 「あ!?」
 「もう許して下さい、これ以上いじめないでください」
 「いじめてるわけじゃないよ!!」
 西脇佐和子さんが、彼の乳首をつねり上げました。
 「そうよ!」
 うちの母裕美子も詰め寄ります。
 「た、助けて」
 彼は、うちの母にすがりつきました。
 「そうじゃないでしょ!!」
 またまた、ビンタです。
 やられる度に、彼の痩せた体がゆれます。
 紅林央子さんと西脇佐和子さん、二人の女性に支えられて、かろうじて立っている状態です。
 (こんなにされても、まだ勃起したままなのが不思議でした)


 「ひろ、いい加減にして」
 母裕美子が、いよいよ彼の下腹部に手を伸ばしました。
 「こんな大勢の女の人に迷惑をかけて」
 両手でオチンチン(正確にはタマタマの部分)をつかみました。
 「今度こそ、つぶしてしまうわよ!!」
 「や、やめろ……」
 「やめろじゃないでしょ、ひろ!!」
 睾丸をもみしだきます。
 「ぐわーーーー!!」
 ……本気でつぶしてしまう気はないらしく、母裕美子は、すぐに手を放しました。
 母は、途中退室していた時間があるので、彼のことをイジメたくてウズウズしているようでした……。
 「ひろ、あなたのママに代わって、おばさんがお仕置きしてあげる」
 母は、周囲を見渡して女たちから異論が出ないのを確認すると、
 「麻衣子ちゃん、そこのカバンをとってちょうだい」と言いました。
 黙って鞄を渡すと、母は、クッキング用のたこ糸を取り出しました(そんなものをどうしては所持していたのかは謎ですが)。
 「ひろ、動かないで」
 母は、彼の前にしゃがむと、たこ糸をほどき、オチンチンの付け根を一回転させました。
 きつく縛り上げ、さらにタマタマと竿をぐるぐる巻いて行きます。
 ひもで固定されると、ぐったりしかけていたオチンチンが、再び生気を取り戻しました(血流のせいでしょうか)。
 最後にギュっと引っ張ると、タマタマがフーセンのように膨らみ、竿の部分はまっすぐに上を向きました。
 彼の大事な部分につながる細いひもの先端を、母はしっかりと握りしめています。
 まるで、彼はオチンチンに手綱をつけられた家畜のようです。
 「悪いオチンチンは、こうやって、縛りあげてしまいます。反省するまで、このままにしておきます」
 どっと、女たちが沸きました。
 母は得意げです。
 「こりゃいいや。次から、あたしたちの男性懲戒術にも取り入れよう」
 越石さくらさんが、言いました。
 「ひろ、よつんばいになりなさい」
 母が命じました。
 「ほれ、叔母さんの言うとおりにしろ!」
 越石さくらさんも言い、ぐずぐずしている彼の背中を蹴りました。
 彼は抵抗する力が残っておらず、女たちに命じられるままに、その場でよつんばいにさせられます。
 「はい、いい子ね」
 母は、彼の背に、腰を下ろし、脚を組みました。
 左手に巻き付けた"たづな"を引き締めると、オチンチンがぐっと前を向きます。
 この状態が続けば母は満足だったかもしれません。
 しかし、あいにく彼のオチンチンは次の瞬間にはふぬけの状態に戻ってしまい、せっかく縛り付けたひもが、ユルユルになってしまいました。


 「どうして小さくなるのよ!」
 母は自分の見せ場が台無しになったと怒り、彼を激しくビンタしました。
 ペタンと床に座らせると、オチンチンをゆすったり、引っ張ったりしました。
 女たちが固唾をのんで見守っています。
 ますます小さくなり、元のサイズ(完全に皮をかぶったコドモのようなオチンチンです)に戻ってしまいました。
 いったんタコ糸をほどき、ふたたび巻き付けようとしますが、ぐにゃぐにゃと逃げてしまいます。
 「なにやってんのよ!!」
 ビンタの嵐です。
 もはや、オチンチンはぴくりとも動きません。
 ・・・・当然だと思います。
 「麻衣ちゃん、あんた、もう一度たたせなさいよ」
 うちの母が言いました。
 「なに言ってるのよ、もう!!」
 「二十六にもなって、ウブなんだから」
 そう言って、オチンチンの皮をギューッとつねりました。
 「この子は幼いときから、こうでした。まいちゃんのお風呂をのぞいたこともあります。中学2年生のとき」
 腹立ちまぎれでしょうか……母は、子供のころの彼の汚点を公表します。
 「麻衣、覚えてるでしょ」
 「……………………」
 「あれは確か、大みそかの夜に、親戚が集まって、ご飯を食べたときだったわ。わたしと、あんたと、真保ちゃんが先にお風呂に入ったのよね」
 わたしが答えないでいると、母がどんどん話を広げて行きます。
 「あのとき、もっと厳しくお仕置きをしていれば、こんなことにはならなかったのかもしれません……」
 「中学2年生か……。その段階で、ただちに女権委員会に任せてくれれば、たしかに、少しは違ったかもしれません」
 榎本美沙子さんが、彼の痩せた肩を両手でつかんで言いました。
 「わたくしの姉は」
 と、母裕美子が続けます。
 「夫と離婚した後、女手一つでこの子と、真保ちゃんを育てて来ました。 他人の何倍も努力をして、大手下着メーカーの部長にまで出世しました。いずれは取締役にもなるのでしょう。 ですが、どうしても、教育までは手がまわらなかったんですわ」
 「真保ちゃんは、こんなにいい子なのにねえ」
 朝日奈泰子さんが、真保ちゃんの肩に手を乗せました。
 「坂本真由子さんのことは、業界誌などで、たびたび拝見し、ひそかに尊敬いたしておりました」
 小野りかさんが言います。
 「今回の件では、さぞ気落ちしているでしょうね」
 皆がうんうんと頷きます。
 「今回のは、ちょうどいい機会。だから、私たちの手で、きっちりと矯正してやりましょう」
 朝日奈泰子さんが、力強く宣言します。
 「大学生なら、ぎりぎりかな」
 そう言って、榎本美沙子さんが、彼の耳をひねりました。
 女15人の前ですっぽんぽんで晒されている彼は、今度こそしっかり反省しなければならない、と私は思いました。

    
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