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 「ちょっと立ちなさいよ」
 朝日奈泰子さんと、越石さくらさんが、裸の彼をベッドから引きずり降ろしました。
 このごに及んで、まだ彼は両手で隠そうとしています。
 「隠すんじゃないの!」
 越石さくらさんが、手錠の鎖部分をつかんで、彼の手をはがしました。
 「ちょっと、よく見せなさい」
 朝日奈泰子さんも言い、二人は彼をベッド脇に立たせました。
 たちまち女全員が彼を取り囲みます。
 彼は、膝をおり曲げたり、お尻をくねくねさせたりして、私たちの目から逃れようと無駄な努力をしていました。
 「あなた、ふざけるんじゃないのよ」
 最年長の泰子さんが言うと、他のメンバーもうなずいて、
 「ふざけるのもいい加減にして」
 「これまでのお仕置きは、まるで意味がなかったということね」
 「これは深刻だわ」
 「あんた、どうなるか分かってるんだろうね」
 などと、口々に言いました。


 「まったくいやらしいわね!」
 越石さくらさんが、ピシッと指ではじくと、かえって元気よく跳ね上がりました。
 「オンナにお仕置きされて、ボッキするって、お前はドエムか!」
 女たちが一斉に笑いました。
 「わたしたちにいじめられて、ひそかに喜んでたんじゃないの」
 榊美華さんが、そう言って、タマタマをギュっとつねりました。
 「ええーー!お仕置きしてたつもりが、"ご褒美"だったか!??」
 女子大生の上原絵里奈さんが、お尻を叩きました。
 「この変態!!」
 「HENTAI!!」
 留学生のアイリス・ユンも同じように彼の尻を叩きました。
 二人は嬉しそうに笑っています。
 「……あなた、妹の真保ちゃんが見てる前で、恥ずかしくないの?」
 小宮さなえさんが、一転シビアな口調で言いました。
 「女権委員会のお仕置き中に、勃起するなんて、あなただけよ。反省してるの!」
 …………実は、あとで教えられたことですが、女権委員会による男性懲戒の場面で、 男が性器を勃起させた状態になることは、実は、さほど珍しくないということでした。
 女権委員会の"お仕置き"は、通常、男性を肉体的にも精神的にも極限状態に追いつめる過酷なものになりますので、"ぎりぎり子孫を残さなければ"という生殖本能が働いて、不本意ながら勃起してしまうというのが正解なのでした。
 女たちは、そんなことは十分承知の上で、ひろ君がお仕置き最中に勃起したことをネタにして、 さらなる責めの材料にしていたのでした。
 

    
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