[11] 「アジア女連から、お客様をお連れしました」また、新しい女がやって来ました。 女性党議員の小宮さなえです。TVで見たことがあります。 女子アナ出身の彼女は、柔和な顔つきの美人ですが、TVの討論番組とかで、『女性に対する性暴力を撲滅し、痴漢や性犯罪男に対して去勢罰を導入する』とか、 そんなことを平気で言うので、世の男からは恐れられています。 「この子、いったい、なにをやったの?」 香港出身のアイリス・ユンという名前の女が、やや癖のある日本語で尋ねました。 「女として、絶対に、許せないこと」 答えたのは、榎本美沙子です。切れ長の目で睨まれると、怖いです・・・・。 「・・・・妹が、被害者なんですってね」 小宮さなえが言い、僕を睨みつけました。 「許せないわね」 「妹が被害者!!?信じられないわ」 アイリスがオーバーなリアクションで言います。 彼女は19歳の留学生です。 ・・・・どうして、こんな外国の女まで加わってくるのかな。 しかし、これが女権委員会のやり方なのでした。 小宮さなえが、アイリスをみんなに紹介しました。 『アジア女性連盟に所属しており、日本人男性によるアジア地域での性的搾取の現状と対策について、実践的な研究をしている』と。 「ちょうどいい機会だから、見てもらおうと思って」 「わたし、ニホンの男性について、学ばせてもらうわ」 アイリスが、そう言って、僕にウィンクをしました。 「アジアでは、長い間、男性優位の伝統と歴史の元で、女性たちが虐げられてきました。いまこそ、女が一斉に蜂起するときなのです」 日本の女子大生の上原絵里奈も負けじと言います。 アイリスはうなずき、「いっしょにがんばりましょう!」と言いました。 僕は、これからどうされてしまうのでしょうか。 |