[9] 僕は、越石さくらに押さえ込まれたまま、叫び続けました。女たちは、僕が興奮して叫ぶのを、余裕たっぷりに眺めていました。 「いいかげん、あんたうるさいよ」 越石さくらが、マウントポジションから僕の顔をはたきました。 「うるせえ!ブス!!」 僕は、彼女の顔に唾をはいてやりましたが、うまく行きません。 越石さくらは笑いながら、「女の価値を、顔の美醜で決めようとする、あんたのその価値観を、まずは矯正する必要があるわね!」 そう言って、ビンタを何発もあびせます。 「どうだ!痛いか!!」 「ちくしょう・・・メガネブスどけよ」 「あんた、それくらいにしとかないと、本当に、タダじゃすまなくなるよ」 榎本美沙子が、僕の顔の前でしゃがんで言いました。 「いるのよねえ。女性の取り調べだからって、意味もなくふざけたり、反発したりする男が」 上原絵里奈も言い、僕の脇腹を特殊警棒でなぞりました。 「越石さんから忠告されなかったの?あなたのために教えてくれたのよ」 榎本美沙子が恩着せがましく言います。 「し、知らねえよ!!今日は、大事な予定があるんだ。帰らせてくれ!!」 「そんなに大きな声を出さなくてもいいでしょう」 と、榎本美沙子は、あくまでも冷静。 「10時に大学へ行かないといけないんだぞ。どうしてくれるんだ!!」 「あたしたちの知ったことじゃないわ」 上原絵里奈が目を細めました。 「ちくしょう!!覚えてろよ」 「ふふ、ふ。声、ぶるって来てんじゃん」 越石さくらが、僕をからかいました。 「ま、こんなメンバーに囲まれたら、無理もないか・・・・」 越石さくらが、くすくす笑いをしながら続けます。 「今日は、特別に豪華メンバーだよ」 「だ、だまれ・・・・」 「だから、声が震えてるって!」 そう言って、越石さくらが、もう耐えられないというように、声を出して笑いました。 彼女は僕を抱き起し、「ほら、言われた通り、正座しなさい。ボク」と言いました。 越石さくらの高笑いを聞いてか、さらに女が集まって来ました。 |