その弐 ご近所の凉子さんが近づいてきたかと思うと、いきなり僕の裸の胸を、両手でギュ――ッ!とつねりました。 あ〜!痛い、いたたたたたた。痛いです、奥さん・・・・。 僕はまだ、それほど深刻な事態だとは思ってなかったので、顔見知りの凉子さんに、ちょっと甘えてみました。 すると、彼女は「フフフ・・・・」と笑い、 「オンナのお仕置きだと思って、甘く見てると、痛い目にあうわよ」 そう言って、うしろに下がってしまいました。 入れ替わりに、長い茶髪をした二十代のママが、いきなり僕の顔をパンチしました。 華奢な女性の力なので、たいしたダメージにはならない・・・・と思いきや、不意打ちは効きます!僕はほっぺたを 抱えて、その場に倒れました。 肌の露出が多いキャミソール姿で、色の派手な茶髪で、元ヤンキーっぽい彼女は、みんなから沙耶さんと呼ばれていました。 小学校の娘を二人連れてますが、なるほど、親に似て、子供のくせに派手派手な格好をしてます。 沙耶さんは、僕の頭髪をつかみ、無理やり起きあがらせました。 二人の娘が、にやにや笑いながら、自分の母親がするのを見守っています。 パン!パン!パン!と、沙耶さんは往復ビンタをお見舞いしました。 僕は身をよじり、 「よせよ!お前なんかにやられる筋合いはないじゃないか」と言いました。 しかし、沙耶さんは余裕たっぷりにこう答えました。 「あら、そうかしら?きょうは、女の子供を持つママたちが集まって、 痴漢退治の講習会なのよ。ここにいるみんなにお仕置きする権利があるわ。・・・でも、ま、いいわよ。悔しかったら、 かかってくれば?」 もちろん、この場で沙耶さんに襲いかかるなんて、できるはずがありません。 「なんだ、弱いわねぇ。本当にどうしょうもないわねぇ」 僕に裸を命じた、今瀬梨津子さんが言いました。 「ここまで女に馬鹿にされて、なんとも思わないのかしら」 今瀬梨律子さんの娘の、奈津子さんが、母親に調子を合わせて言いました。 彼女は、女子校の制服のミニスカートから、健康的な白い太ももをのぞかせています。 まるで見せつけるようです。 ・・・・屈辱です。 「ほら、なにを迷ってるのよ。男でしょ。かかっておいでよ」 沙耶さんが言いました。彼女はキャミソールのひもを指でさわりながら、 「フフフ、あなた痴漢なんでしょ。わたしに抱きついて、服を脱がしてごらん」 会場の女性たちが、笑いながら拍手しました。 こういうの逆セクハラっていうんじゃないんですか。 三十歳ぐらいの母親が二人、前に出てきました。 連日猛暑なので、彼女たちもみんな薄着です。 涼しげなスカートをひらひらさせたり、両手で胸元を広げて、ブラジャーの紐を見せびらかしたりしながら、 「ほーら、どうしたの?わたしたち相手でもいいのよ。悔しかったら、かかって来なさいよ」 「情けないわねぇ。あんた、本当にキンタマついてんの?」 もう会場は爆笑の嵐です。 「ここまで言われて動けないなら、あんた男じゃないわ」 沙耶さんが、冷た〜い目で言いました。 「男じゃないなら、キンタマ取っちゃうわよ――!」 会場のだれかが言いました。またそれで女性たちは拍手。 「ほらーさっさとしないと、パンツまで脱がされちゃうわよ!!」 女教師の小菅美帆が、よく通る声で言いました。 「あははは!脱がせ、脱がせ」 普段は真面目そうな、若いママが言います。 ・・・・だんだん、会場が興奮してきているみたいです。 僕を取り囲む女性たちの輪が、さっきよりもだいぶ小さくなりました。 ・・・・僕は、両手で顔を隠して、泣いてしまいました・・・・。 それしか、方法がなかったと言うことです。 すると、女性たちから大ブーイングがわき起こりました。 「なんだ、情けないわねぇ」 「泣いたって、どうにもならないじゃない」 と梨津子、奈津子の親子が言いました。 女性たちは、しくしくと泣きつづける僕の様子を、しばらく観賞していました。 こういうとき、女の人というのは、本当に残酷ですよ。 「ねえーみっともないでしょ。あれが、痴漢なんてする人間の姿なのよ」とか、 「よぉく見ておきなさい。悪い大人は、こうこう目にあうんですからね」なんて、それぞれの娘に教えたりしています。 中には「かわいそうじゃない?」と言った人もいたんですが、そういう彼女だって、拍手をしたり、 笑ったりしてるんだから、意味がないです。 しばらくして、元ヤンキーの沙耶さんが、僕のお尻をひっぱたきました。 「泣きたきゃ、いくらでも泣けばいいわ。だれも同情なんてしないから。あんたが抵抗しないなら、こっちからいかせてもらうよ!」 そう言って、彼女は、僕のわき腹に一発パンチをくらわせると、「いやっ!」の気合いとともに、足を振り上げました。 げすっ。 ・・・・・・見事な技と言うべきでしょうか。沙耶さんのサンダルが、 僕の男の急所部分をとらえました。 言うまでもなく、この一撃で僕は“GAME OVER”です。涙も吹き飛びました。 次の瞬間、会議室にいる女性たちが、大歓声を上げました。 その声を、僕は床にはいつくばって聞いています。 「いい?みんなよく聞くのよ。みんなが痴漢に出会ったときは、いまのように、急所をねらうのがいちばんの撃退法よ。 いいわね?」 今瀬梨津子がマイクで言いました。 「は〜い」 「分かりました♪」 「よく分かりました〜」 「分かったわァ」 ・・・・・・。全部で十数人いる女子生徒たちが、 明るい返事をしました。 僕が全身にあぶら汗をかき、うんうん言いながら苦しんでいると、沙耶さんは背中にサンダルを乗せ、ぐりっと ふみ倒しました。 ちょっとやりすぎじゃないですか。こんな教育が許されていいのか。 すると、スーツ姿の二人の女教師が、みんなに向かってこう言いました。 「みんなは、男の急所がどこにあるか・・・・なんであるか、知ってるわね?」 これに対しては、「は〜い」というまばらな返事。 ただし、答えなかった子も、本当は知ってることを示す、くすくす 笑う声、声、声・・・・・・。 「ま、みんな当然知ってるわね。はい!そうね。男の人は、オチンチンを攻撃されると、たちどころに弱くなります。 これは、いま見たとおりだけど・・・・。なにか質問がある人?」 「さっきの攻撃で、タマタマは潰れたんですか〜ぁ?」 女子生徒の中でも、とくに活発そうな子が、大きな声で言いました。 子供たちだけでなく、母親たちまで思わず笑いを誘います。 「それでは、ご本人に聞いてみましょう」 女子高生の奈津子さんがおどけて、僕にマイクを向けました。 まだ僕はしゃべれる状態じゃないです。 すると、沙耶さんがマイクを奪い、 「はい、潰れてしまったようです」と言いました。 それで、またまた大爆笑・・・・拍手、拍手の嵐です。 僕は、痛みと、くやしさと、情けなさと・・・・恐怖で、ふたたび泣きました。 「ぼ、ぼくは、凉子さんの下着を、一回盗んだだけなのに」 「ちょっと!それ、聞き捨てならないわねぇ。下着を一回盗んだだけでも、じゅうぶんに痴漢 じゃないのよ!」 沙耶さんが、言いました。彼女はマイクを使い、 「みんな!ちっとも反省してないわよ」 会場がわき上がります。 僕は興奮の坩堝(るつぼ)の中で、女性たちから立たされました。 重く、どんよりとした痛みが、まだ睾丸に残っています。まっすぐ背中をのばして立つのは苦しい・・・・。 問題の、下着を盗まれた凉子さんが正面に立ちます。 なにをされるのか・・・・。 瞬間、恐怖におびえる僕の目を覗いて、凉子さんが笑いました。 こうして見ると、ドキッとする美貌の持ち主です。美魔女系です。 そして・・・・・・彼女のスマートな脚が上がり、あっと思ったときには、彼女のひざ先が 僕の股間に埋め込まれていました。 ぐぁふ。 それはもはやキンタマの痛みではなく、その奥にある内臓の痛み・・・・のように感じられました。 僕は目の前が本当にまっ暗になり・・・・、このまま気絶したら幸せだろうと思いました。しかし、女性たちは それを許しませんでした。 「ちょっと、お水出してくれる?」 コンビニ袋の中から、500ミリのペットボトルが三本、そのぜんぶのキャップが開けられました。 「さ、飲みなさい」 女性たちは、無理やり僕を抱き起こして、水を飲ませました。僕は飲みたくありません・・・・。苦しいだけです。 ペットボトルの約半分を飲み干し、ぶわっと吹きました。 近くにいた女性たちに水しぶきがかかります。 「なにやってんのよ!」 と、女子高生の奈津子さんが僕の頬をひっぱたきました。 おかげで気を失うことはなくなりました。 女性たちは、残った水を、僕のパンツの中に注ぎました。ひんやりして、気持ちいい・・・・。 僕の白いビキニパンツは、濡れ濡れになり、中が透けて見えました。 「は、恥ずかしい」 僕は言って、その場にしゃがみました。 でも、すぐに起こされました。五〜六人の女性が、僕を支えます。 なにするんですか・・・・。もうやめてください。限界です。分からないですか・・・・。 二人の女教師が、女子生徒たちを並べました。 「やりたいひと?」と言うと、五年生と、中学一年の女子が、名乗りを上げました。 「じゃあね、軽くでいいから、よぉくねらって・・・・」 冗談じゃない。軽くでも、これ以上やられたら死んでしまう。 僕は、身をよじって“いやいや”をしました。 女の子みたいに内股になり、手足をばたつかせて、死にものぐるいで抵抗を試みます。 さすがに、女子生徒は近づいて来れないでしょう。 しかし、女性たちは最初からちゃんと考えていました。 革でできたバンドが用意され・・・・それには頑丈なロープが付いていました。 全部で四本。言うまでもなく、僕の両足、両手を固定するためのものです。 こういうのはハンズとかで売ってるんでしょうか。 だれか、SM趣味のある奥さんでもいるのかな。 「寝かされるのと、立ったまま、どっちがいい?」 涼子さんが言いました。 ど、どちらもイヤですけど・・・・。 「立ったままがいいわよ。屈辱的で」 奈津子さんが言いました。 「あら、無理やり押さえつけられて、寝かされる方が屈辱じゃない?」 若いママの一人が言いました。 「寝かせると、みんなよく見えないわよ」 と、沙耶さん。 「それなら、テーブルを組んで、その上に寝かせたらどう?」 また別のママが言いました。 それで決まったみたいです。 女性たちは、みんなで協力して、僕を会議室の長いテーブルに寝かせました。 僕の意見なんて最初から聞くつもりないんだから、言わなければいいのに。 それにしても、“どちらがより屈辱か”で決めるなんて、たいした人たちです。 ママたちが革バンドを僕の両手にはめ込みました。 ロープがぴんと張られ、僕の両手はそれぞれ別の方向に引っ張られます。 革バンドが、手首にくい込んでいます。痛いです・・・・。 おそらく、内出血しています。 つぎは、足首に革バンドがはめ込まれました。 てきぱきと作業していく凉子さん、沙耶さんに、僕は哀れっぽく言いました。 「どうか、許して下さい。この前のことは、本当に反省しています。お願いですから・・・・」 凉子さん沙耶さんが、僕を見下ろして、笑いました。 「こうなったらもう、だれにも止められないわよ」 と、凉子さんが言い、沙耶さんも、 「あなた、オモチャになるのよ」 と言って、ハンズで買ってきた(?)いろいろな道具を並べました。 首輪、鞭、針のついてない注射器、音だけ大きいハリセン、ボクシンググローブ、ダーツの矢、 女性用カツラ、メイドさんの女装セット・・・・などなど、大半がくだらない玩具です。・・・・・・あ、だから、“オモチャになる”のか。 僕は思わず身震いしました。 「足かせする前に、パンツ脱がした方がいいわよ」 後ろの方にいた若いママが言いました。 「どうせ、あとで脱がすんでしょ?足かせしちゃったら、切らないと脱げなくなるわ」 女子高生の奈津子さんが、玩具の中からメイドさんの衣装を取り出し、 「ふふふ、そしたら、これを着せてあげる」 ひらひらのついたエプロンを僕の前にさらしました。 や、やめて! 奈津子さんの冗談はともかく、凉子さんと、沙耶さんが、僕の下半身に手をのばしてきました。 「うわ〜パンツ、びしょびしょだわ」 「早いとこ、脱がしちゃいましょう」 二人の会話に、他の女性たちも全員集まってきて加わります。 「本当に、この場でパンツ脱がすの?」 「最初からそのつもりのくせに!」 「フフフ・・・・そうよ、そのつもりよ」 や、やめてくれえええ! 僕は首をぶんぶん振り回して抵抗します。それしか、できることがありません。 涼子さんが目を細めました。 「そんなに、パンツ脱がされるの嫌?」 あ、当たり前じゃないですか。こんなに大勢の前で・・・。 「・・じゃ、今すぐ、わたしのパンツ返して」 涼子さんが、僕の胸に身を乗り出して言いました。 そ、それは・・・・・・。 「返せないんでしょ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「返せるわけないわ。どうせ下着を頭からかぶったり、匂いをかいでオナニーしたのよ」 若い母親の一人が、意地悪く言います。 その瞬間、涼子さんが僕の顔面を思いっきり張りました。それも往復で。 「・・返せないなら、あなた、文句言う資格ないわね」 あ、あたらしいの、買って、お返しします・・・・・・。 「フーン。あたらしいの、買ってくれるんだ?」 い、慰謝料もお支払いしますから!! 「・・・・うーん、これは、お金だけで、簡単に済ませていい問題じゃないしなあ・・・」 涼子さんが、考えるそぶりを見せて、背後にいる女性たちをふり返ります。 女性たちは無言。ここまで来て、中止なんてあり得ないという顔をしています。 「ワルイ男子は、パンツを下ろしてお仕置き!」 女子生徒の一人が叫ぶように言いました。 「パンツぐらい脱がさないと、女の子の恥ずかしい気持ちは理解できないわよ」 補足するように、ママの一人が言います。 「小学校のクラスでも、スカートめくりをした男子は、放課後に残して、女の子たちの学級裁判で、パンツ脱がしの刑にすることもあるわ」 ・・・・・・・・・・。いくら、女性の権利が強くなっているからといって、それは、あんまりじゃ・・・。 「あら、最近では、男子は、中学校までは、裸にしてもいいことになってるのよ」 制服姿の女子中学生を連れたママが言いました。 「裸にしてどうするの?」 「“罪の重さ”に応じて、おちんちんを、引っぱったり、定規で叩いたりするらしいわよ」 「今は、中学生だと、オチンチンに毛が生えてる子も多いんじゃない」 「そうみたいね。ここだけの話、毛が生えたかどうかチェックするために、女の子たちが、適当な罪をでっちあげて、男子を脱がすこともあるみたいよ」 「それはひどいわ」 「いいのよ。その年頃の男子なんて、どうせ、頭の中はエッチなことしか考えてないんだから」 「それは、そうかもしれないけど」 ママたちの会話に、僕は震えあがってしまいます。 女子高生の奈津子さんが、僕が鳥肌を立てたのを、目ざとく見つけました。 彼女は笑いながら、 「中学で、クラスの女子に裸を見られるのは、つらいわよねえ。・・・・ところで、お兄さんは、おいくつ?」 「二十六歳!」 小菅美帆が、ここぞとばかり、叫びました。 女性たちが爆笑します。 ・・・・やっぱり、僕のこと怨みに思っていたんですね、先生。 「二十六歳でパンツ脱がしのお仕置きか・・・・うわ、最悪、あり得ない」 沙耶さんがわざとらしく言います。 「わたしなら羞恥で二度と立ち上がれないかもね」 「エッチなことばかり考えてた罰ですよ!」 二十代のママが言いました。 あれ、この人、ついさっき“ひどい”って言った人です。もう、宗旨替えですか。 彼女、よく見ると、カワイイ顔してます。 話によると、母娘で雑誌モデルだそうです。関係ないけど・・・・。 「それじゃ、◎◎君。今日は、メグさんに、たっぷりと、オチンチンを見てもらいましょうねぇ」 中学女子のママが、言いました。 意地悪で、わざとらしい発言です。僕のこころの動きなんて、完全に見透かされています。 な、何でも言うこと聞きます。だから許して!!! 思わず僕は叫びました。 「なんでも言うこと聞くなら、お前、パンツ脱げよ!!」 少女の一人が言うと、またしても女性たち爆笑。 #☆※ゆ、ゆ、許して!! もう僕は涙声です。 顔を引きつらせて、涼子さんに哀願します。 涼子さんは、考えるようなそぶりをして、一瞬の間をおいてから、 「ダメ!・・下着泥棒の罰として、今からあなたを、オチンチン丸出しの刑に処します」 と言いました。 「しっかり反省して下さいね」 女性たちがみんな、げらげら笑っています。 今日の、この僕の運命は、彼女たちみんな合意した上でのことなんでしょうか? 最後に僕は、喉も割れんばかりの声で、叫びました。 やめろ!! 「さ、みんな注目!」 わざわざ言わなくても、みんな注目してるって・・・・。ぜんぶ僕を辱めるためにやっているんですね、涼子さん。 何人もの女性に足を押さえられ、注視される中、僕はパンツを足元までめくり下ろされました。 女性たちが、わざとらしく悲鳴に似た歓声をあげます。 や、やめて。見ないで・・・・。 僕は女の子みたいに足をくねらせて、はかない抵抗をしました。 「もう見られてるのに、馬鹿みたい」 だれか、女子生徒が言いました。 両足のロープが、それぞれの方向にピン!と、のばされました。 これじゃ、隠しようがありません。 僕は、女子供二十五人の前で、生まれたままの姿をさらけ出す羽目になりました。 |