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女性警察官 その2


 東京銀座に、『女性警察官だけの交番』というのが、あるそうである。

 あえてそういうモノを設置したのは、婦人警官にも、男性警官を向こうに回して大活躍できる 舞台を与えるためであるとか、単に“親しみやすいから”という理由であるらしい。
 それと言うまでもないことだが、あらかじめ女性警官が対応してくれることが分かっていれば、 痴漢やその他の性的被害を受けた女性が、相談に足を運びやすいという利点もある。

 痴漢に遭遇した女性が、加害者の男性を追いかけて捕まえ、自分の手で警察に突き出した なんて記事を見かけることがあるが、こうして被害者女性に連れて行かれた先が、 “女性警官だけの交番”であったとしたら、どうだろうか。婦人警官と被害者女性は、同性として 痴漢への憎悪感を共有しているので、男に対する取り調べは辛辣をきわめるだろう。

 仮に、女性側の勘違い、えん罪だったとしても、絶対に助からない。それどころか、完全に女性が 支配する交番の密室で、男はどんな目に遭わされるか分からない。


 婦人警官A 「・・・・・・なるほど、それでこの男がスカートの中にまで手を入れたってわけね」

 被害者の女子高生 「・・・・・・はい・・・・・・」

 女子高生の友人 「間違いありません」

 男 「ふざけんな!俺は両手に荷物を持っていたんだぞ。どうやって触れるんだ!」

 婦人警官B 「あんたには聞いてないでしょ!今女の子が話してるんだから、だまって聞いてなさい」

 男 「でも、本当に俺じゃないんだ」

 婦人警官C 「うるさいわねえ。それじゃ、なによ!?この女の子たちが嘘をついてるって言うわけ」

 男 「嘘か、それでなかったら、勘違いしてるんだ」

 婦人警官C 「女の子、泣いてるじゃないの。これでも嘘だって言うの!」

 男 「そんなの、俺が知るかよ!」

 婦人警官B 「なんなのよッ、その態度は!!」

(一人の女性警官が、いきなり男の頬を張り飛ばす。彼女のマニキュアの塗られた長い爪が、彼のまぶたに傷をつける。 男は呆然とした表情で、怒れる彼女の横顔をながめる)


 婦人警官A 「あなた、ここがどういうところだか、分かってないようね」

 婦人警官B 「あんたがあくまでもしらを切るつもりなら、あたしたちにも考えがあるわよ」

(そう言って、彼女は部屋の隅にあるロッカーから、アルミ製の特殊警棒や竹刀などの武器、さらには、革ベルトや手錠などの 拘束具を取り出し、他の女たちに手渡す)


 男 「な、なにをするつもりだ・・・・・・」

 婦人警官C 「あなたが素直に自分の罪をみとめないなら、それで結構よ。ただし、少々痛い目にあってもらうかもね」

 男 「け、警察のくせに、暴力をふるうのか」

 婦人警官A 「なに言ってるの。ここは“女のための交番”よ。痴漢には、なにをしても許されるわ・・・・・・」

 男 「・・・・俺にだって、弁護士を呼ぶ権利があるはずだ」

 婦人警官C 「呼びたきゃ、べつに呼んでもいいけど。“女の交番”に痴漢の弁護に来てくれる男性弁護士なんて、いないわよ」

 婦人警官A 「あたしたちの知り合いの、フェミニズムの女弁護士でよければ、頼んであげるわ」

 婦人警官C 「ちなみに、その先生は、『痴漢男は全員容赦なく去勢すべき』っていうポリシーの持ち主だけど」

 男 「お前たち、卑怯だぞ!!」

 婦人警官B 「女の子に電車内でイタズラする方が、よっぽど卑怯じゃないの!」

 被害者の女子高生 「わたしもそう思います」

 女子高生の友人 「わたしも」
 
 婦人警官A 「じゃあ、決まりね・・・」

 婦人警官B 「ふふふっ・・・。今日は徹底的にいたぶってやるから、覚悟をおしッ!!」

 男 「や、や、やめてくれええええええええ!!」


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