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カルマ・エンジェルスの虜


 夕暮れ時・・・・・・。
 人の気配がまるでしない、学校の裏庭です。
 中型犬用の首輪をつけた男が、少女たちに引き回されています。

 男は全裸で、犬のように四つん這いで歩くことを強制されています。
 逆らえば・・・・・・たぶん、命がありません。

 なぜなら、男を取り囲むのは、約十五人の女子高生たち。
 それも県内では有名な女性だけの暴走族チーム、“カルマ・エンジェルス”のメンバー たちであったからです。

 十五人の中には、高校在学中に結婚、出産、離婚まで経験し、夜の仕事をしながら 子供を育てている、二十歳のシングル・マザーもいます。
 また、将来カルマ・エンジェルスに入ることが確実な、女子中学生二人と、なんと小学 六年生の女子までいます。(彼女たちは全員思春期の少女にふさわしくない化粧をし、 露出の多い服装をしているので、とてもそんな子供には見えませんが・・・・・・)
 
 哀れな男は、朝からずっと、彼女たちに連れ回されています。

 まったく無秩序な少女たちは、違法改造した車のトランクに、男を押し込むと、平塚から 湘南、鎌倉とドライブを続けました。
 お昼になり、彼女たちは男をトランクに積み残したまま、レストランで食事しました。
 そこでようやく思い出したように男を車から出し、真冬の砂浜でいきなり全裸、ボコボコです。

 男が泣いて謝っても、少女たちのいじめはエスカレートする一方でした。
 しまいには、「泳げ!」 「あの沖に浮かんでいるブイまで泳ぎなさい」 「泳いだら、許してあげる」 「泳がなかったら、殺す」

 海は波が高く、水温が低いです。もともと運動音痴な男には無理な注文でした。
 すると、少女たちのリーダーで、みんなから「ゆかりさん」と呼ばれている娘が、突然キレました。
 ゆかりさんは、男の処刑を命じます。
 少女たちは、男の両足にチェーンを結びつけ、なんと400ccのバイクで砂浜を引きずり回したのでした。

 砂浜でなければ、男は本当に死んでいたでしょう。
 幸い、気絶しただけですみました。

 全身痣だらけで、ところどころ皮膚に火傷を負った男は、波打ちぎわで目を覚まします。
 すると、頭をのぞいて砂の中に埋められていました。
 当然、頭が海の方を向いていて、次第に満潮の時間です。

 「じゃあね、バイバイ」「あー、楽しかった♪」「今度なにして遊ぶー?」
 男は、今度こそ死を覚悟しました。
 しかし、シングルマザーで二十歳の“さゆりさん”は、さすがに大人だけのことはあります。
 「こんなところに死体置いてくと、足がつくよ」

 掘り起こされた男は、今さらながら、塩水をたっぷりと含んだ砂のせいで、体中が ヒリヒリと痛みます。
 「しょうがないわね。じゃ、もう少し遊んであげる」少女の一人が言いました。
 死んだ方がましだったかもしれません。


 少女たちは、男を介抱(?)するために、国道沿いのモーテルに入ります。
 こんなに大勢で行って大丈夫なんでしょうか・・・・・・。
 ・・・・・・大丈夫みたいでした。カルマ・エンジェルスはどうやら顔パスのようです。

 部屋に入ると、少女たちは勝手にカラオケをしたり、食事を注文したり、酒を飲んだりと やりたい放題です。(もちろん、料金は男の背広に入っていた財布から支払われます)。
 年長者のさゆりさんが、熱い風呂を準備してくれました・・・・・・。
 彼女らは、問答無用で、ジェット噴射するバスの中に男を投げ入れます。

 ぎゃーーーっ!!

 叫んでも、どうにもなりません。

 すっかり洗われてしまった男は、女子高生たちにカラオケを歌うよう命じられます。
 ところで、男の衣類は、海中に投棄されてしまったので、オールヌードのまんまです。
 舞台に見立てられた丸テーブルに立つ男に、女子高生たちがヤジをとばします。

 「おらーッ、下手くそだったら、お前どうなるか分かってるんだろうな!」
 「さっさと歌えよ!」
 「ちゃんと振り付けて歌えよ」
 「ちんちんちょん切っちゃうぞ!」
 「あはははははは」

 こんな状態で何を歌えばいいんでしょうか?
 アニメ・ソングなんて歌ったら、きっと殺されるでしょう・・・・・・。
 しばらくもじもじしていると、なんか曲が流れだしました。平井・・・なんとかいう男性歌手の 歌です。女子高生に人気あるのでしょうか。

 イントロが流れだし、歌えません。
 当然、女子高生激怒です。
 男は舞台を降ろされ、大変な罰を受けることになりました。

 ここにピザを注文したときの、タバスコがあります。
 男がどんなに暴れても、十人以上に体重を乗せられ、カーペットに押しつけられているので、 びくともしません。
 すぐに、“全身タバスコの刑”が開始されました。

 ふんぎゃーーーあ!!うが、うごぁ、ぐげごがーーーー!!

 ・・・・・・と、いくら叫んでみてもどうにもなりません。
 少女たちは、次に哀れな男の下半身に注目します。

 「ねえ、こいつ、すんげえ皮があまってねぇ?」と、だれかが言ったのがはじまりでした。
 「これってホーケイっていうんだろ」
 女の子の一人が、意地悪く男に質問します。
 「おい、お前に聞いてんだよ!こ た え ろ!!」

 ・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・と、小声でうなずくしかありませんでした。

 「じゃあサ・・・・・・わたしたちが治療してあげようか」
 もちろん、まともな治療のわけがありません。

 「この皮をできるだけ引っぱって、さきっちょを、はさみで切っちゃえばいいんじゃない?」
 「それか、思いっきり皮を剥いて、アロンアルファでくっつけるとか」
 「どっちがいい?」

 たのむから、もう許してくれー。と、男は叫びました。
 女の子たちはおかまいなしに、男の下半身をいじりまわします。

 「この毛は邪魔だから、剃っちゃった方がいいよね」
 「無駄毛のお手入れ♪」
 「そうだ、つるつるにしちゃおうか」

 「やだ、ぴくぴく動いてる」
 「イモムシみたい」

 「いちいち剃るのめんどくさいから、火あぶりにしちゃおうか」
 「あはは、それいい。だれかライター貸して」

 ぎゃあ、熱い!!やめ、やめてくれっ!!

 「ほーら、静かにしなさい」
 「ねえ、こいつうるさいから、口ふさいじゃお」
 女子高生たちは、部屋に置いてあった生理用ナプキンを丸めて、男の口のなかに押し込めました。
 「吐き出したら、ぶん殴るからね」

 「あら、なんか大きくなってきたわ」
 「やーだ、ほんと!もしかして、わたしらに触られて、感じちゃった?」
 「フフフ、レイナ、勃起させてごらんよ」

 レイナ、という名前の金髪の女子高生が、ぺろっと舌を出して男を見つめます。
 「どう?わたしが口でしてあげようか」
 言いながら、彼女は自分の太ももをさすり上げ、ミニスカートのすき間から、わずかに白い パンティをのぞかせました。

 「きゃーあっ!!大きくなったあー」
 女子高生たちは、もう大騒ぎです。
 しかし、レイナは男の頬を二、三回殴り、「ばーか!あたしが、お前みたいな汚いチ○ポくわえる わけねーだろ!!勘違いしてんじゃねーよ」

 少女たちは、男を起きあがらせ、ふたたびカラオケの舞台に上らせます。
 そして、「わたしたちが見てる前で、オナニーしなさい!」と口々に命令しました。

 「早くしろよ!やらねーと、ぶっ殺すぞ」
 「あと十、かぞえるうちにしないと、処刑するわよ」
 「ちゃんと勢いよく出せたら、終わりにしてあげる」

 だせ!、やれッ!、オナニーしろ!!・・・・・・女子高生たちの大合唱の前に、一度は立ち上がった男の 部分も、ふたたび沈静化してしまいました。

 「なんだよ、情けねーなァ」
 「お前、それでも男かよ」
 「オナニーぐらい、いつも家でやってんだろ!」
 キレた女子高生たちが、ボコッ、ボコッと殴りかかってきます。

 カルマ・エンジェルスのリーダー、ゆかりさんが、どこで用意したのか、中型犬用の首輪を、 男の首に巻きつけました。
 金具にチェーンをつけて、準備完了です。
 「このまま、外に出て、素っ裸で引き回しの刑」
 ゆかりさんが宣告しました。


 こうして最後にたどり着いたのが、冒頭の学校のシーンです。
 彼女たちの凶暴さをよく知っているのか、たまたま居合わせた女教師も見て見ぬふりです。
 いや、それどころか生徒たちに人気のありそうな、快活な二十後半の女教師は、
 「ちょっとぉ!あんたたち、またそんなところで犬の散歩させて。いい加減にしなさいよ〜」

 「先生、こいつ、マユに援交しようとしたんだぜ〜。許せねえだろ!」

 「あらあ・・・たしかに悪いわねぇ。でもあんたたち、ほどほどにしときなさいよ」

 「はーい」 「わかりましたー!」 「今度は殺さないようにしまーす」

 ・・・・・・なんて、生徒たちを注意したのかしないのか、よく分からない会話を残して行ってしまいました。

 それから、いよいよカルマ・エンジェルス定番の、『男狩り』がスタートしました。
 よーい、ドン!で男の鎖が外され、薄闇の中を必死で走りまわります。
 追いかけるのは、400ccバイクや原動機付き自転車に乗った彼女たち。違法改造の スカイラインも途中から加わりました。
 まっすぐには走らず、できるだけジグザグに逃げたいところです。校門まで走れば、男の勝ち。 しかし、もちろん最初から勝ち目のないゲームということは分かりきっています。

 カルマ・エンジェルスの中でも走りやとして認められている、十九歳の沙耶華さんが、400ccで 男をはね飛ばしました。
 冷たいコンクリートに全身を叩きつけられ、男はしばらく無言。このまま死んだふりをしていれば、 この鬼畜娘たちは満足して帰って行くでしょうか?
 ・・・・・・違いました。彼女たちは狩猟した獲物を一目見ようと、男のまわりに集まってきました。

 足が折れたらしく、立ち上がることができません。
 すると、十五人は男を抱きかかえ、校舎の中に連れ込みました。
 行き先は、当然保健室です。しかし、彼女たちが男を介抱する気でないのは、もう分かるでしょう・・・。

 男は一応ベッドに寝かされますが、すぐに鎖と、ロープでぐるぐる巻きにされてしまいます。
 両手はバンザイ、両足はYを逆さまにした格好です。
 ・・・実は、ここまでが彼女たちの言う『男狩り』の内容なのでした。
 彼女たちの獲物として囚われた男に、リーダー格のゆかりさんが、冷酷に告げます。
   「これから、あなたの、男性の部分を、切断するための、手術を、行います」

 年長のさゆりさんが、男のへそ付近に、注射器を持っていきました。

 う・・うがあああああああああああっっつ。

 すでに口の中にシーツなどを詰められていて、叫ぶことも許されません。

 「フフフ・・・このお薬でいい気持ちになるといいわ。そしたら、すぐに終わる・・・」

 ぶすり・・・と注射器の針が、男の太ももと、へその下と、ペニスの付け根と、睾丸の裏に 突き刺さり、それぞれ一定量のドラッグが注入されました。
 これで麻酔効果があるのでしょうか・・・・・・?
 神さま頼むから・・・・・・


 神さま・・・・・・。

 ゆかりさんが、庭の植木の伐採に使うような、巨大なハサミを取り出すのが分かりました。





 女の子たちが、出血にそなえてシーツやタオルを何枚も用意しているのが分かりました。













 彼女たちは、本気です。


・・・・・・・・・オシマイ



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